By examining several key variables concerning corporate governance, Miyajima and Arikawa examine the evolutionary process of ...
そもそも、わが国の財政は楽観視できない。金融政策の転換もあって国債の長期金利は上昇基調にある。わが国はゼロ金利から「金利のある世界」に戻った。10月末で10年債の金利は1.66%、40年債は3%を超えてきた。超長期国債の金利急騰を受け、財務省は満期20年以上の国債の発行額を減らし、短期国債を増額する形での国債発行計画変更を迫られた。国債をめぐる厳しい状況は続くだろう。
アギヨン氏が指摘する「他者との交流を通じて培われるソフトスキル」の重要性は、2025年のノーベル経済学賞を共同受賞したモキイア氏の洞察とも響き合う。例えばモキイア氏は著書『知識経済の形成 産業革命から情報化社会まで』の中で、人の暗黙知の重要性を再検討しつつ、命題的な知識(発見)と、実践的な知識(テクニック、技術)の相互作用こそが、経済成長において決定的に重要であることを指摘している。
対日投資を増やすには、投資やビザ取得・税などの制度や、連携しうる企業・大学に関する情報を海外に発信することが有効だ。日本貿易振興機構(ジェトロ)や自治体によってすでに実施されているが、大幅な強化が求められる。
受動喫煙は長らく、公衆衛生上の脅威として認識されており、非喫煙者に対して負の外部性を及ぼすことが知られている。この問題に対処するため、日本では2020年4月に全国的な屋内喫煙禁止が実施され、公共の場での喫煙が禁止された。本研究では、喫煙者がいる家庭は、過去に喫煙が可能だった公共の場を訪れる機会が多かったと考えられるため、当該政策がこれらの家庭により直接的な影響を与えると仮定した。結果として、公共の ...
女性首相の誕生によって、今後、日本の政治分野における男女格差は縮小し、女性政治家や女性閣僚、さらには女性首相が増加していくのだろうか。これまでも政党の党首をはじめ、国会の議長、大臣などの要職に女性が就く例は存在してきたが、女性首相という政治リーダーのロールモデルが登場したことで、女性の政治参加や政治エリート層への参入が促される可能性は十分に考えられる。
本BBLでは、バブル景気崩壊後の不況期(具体的には1993年から2004年)に高校や大学を卒業した就職氷河期世代を中心に、その前後の世代も含めて、就業状況や所得の動向、家族形成や世代内格差の実態について、著書の『就職氷河期世代 ─ データで読み解く所得・家族形成・格差』にて第47回サントリー学芸賞を受賞した、東京大学社会科学研究所教授の近藤 絢子先生が、統計データに基づいて概観する。それを踏まえて ...
ドルの「とてつもない特権」の規模、範囲、さらにはその性質そのものに対する疑念が再燃する中、我々は日本の特権、すなわち対外バランスシートにおける持続的な超過収益に改めて注目する。これは一部、安全な政府債務を大規模に発行できる能力に由来する。ただし、この特権の維持には、日本の債務ダイナミクスを管理し、インフレを適切に保つことという留保が存在する。
わが国の国民皆保険制度を支える診療報酬改定において、医薬品および医療機器(薬機)の価格決定プロセスは、財政規律とイノベーション評価の狭間で厳しい議論の対象となってきた。制度上の建前として、薬機の保険償還価格は、医療機関が購入した価格を補填するという「実費償還」の原則に基づいている。市場実勢価格に基づく改定(いわゆる薬価調査・材料価格調査に基づく改定)は、この原則を具現化するメカニズムとして機能して ...
2015年から2023年までの包括的な貿易取引データおよび企業レベルデータを用いて、オーストラリア企業が米中貿易戦争後にどのように輸入パターンを調整したかについて分析した。2018年から2019年までのトランプ関税の対象となった製品へのエクスポージャーが高かった企業と低かった企業を比較する分析手法を用いる。エクスポージャーは、貿易戦争前の輸入パターンによって測定した。エクスポージャーが高いオースト ...
外国企業による日本への投資は対日直接投資と呼ばれる。その例として、米アップルによる横浜テクノロジーセンターの設立や台湾積体電路製造(TSMC)による熊本工場の設立、スイスのロシュによる中外製薬への出資が挙げられる。
産業革命は世界経済を長期間押し上げたが、それは新技術が生活革命をもたらしたからである。自動車や家電の普及、通信技術の発達による家事負担の軽減や生活の快適性、余暇の充実などは人々の暮らしを劇的に変えてきた。